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木質ペレット
脱原発、脱化石燃料、地球温暖化対策が叫ばれる今、改めて脚光を浴びているエネルギー
1.木質ペレットとは
環境への影響が少なく、効率性の高い発熱量を得られることから
ペレット燃料の特長
・形状が小粒に統一され、水分も10%以下
・灰分が一定で他のバイオマス燃料に比べても扱いが簡単
・船舶による長距離輸送が可能
・エネルギー密度が高いため、一度に多くのエネルギー輸送が可能
・加熱処理されているため、カビなどが生える心配が少なく長期間の貯蔵に最適
ペレット燃料の短所
・水気に弱いため、保管に留意する必要
適している用途
・FIT制度を活用した木質バイオマスボイラーへの使用
・特に、自動運転装置には最適
2.バイオマス発電とは
バイオマス発電では、このバイオマス資源を「直接燃焼」 したり 「ガス化」するなどして発電します。
技術開発が進んだ現在では、木質バイオマスなど、様々な資源が有効活用されています。
バイオマス発電は、全発電量の 2.2% (2018年)、年々増加しています。
地球温暖化対策
光合成によりCO2を吸収して成長するバイオマス資源を燃料とした発電は「京都議定書」における取扱上、CO2を排出しないものとされています。
3.期待されるバイオマス発電
2018年 発電の比率
2018年に閣議決定された第5次エネルギー基本計画では、「水力、太陽光、バイオマス、風力、地熱」の各発電による再生可能エネルギーを主力電源化していくことが明示されています。
2030年 発電の比率(予測)
政府は、再生エネルギー比率を2018年 17.4%から2030年 19~27%になると見通しています。
バイオマス発電については、2018年 2.2%から2030年 3.7~4.6%にまで拡大が予想されています。
4.木質バイオマスについて
バイオマス発電のうち「一般木材等・バイオマス液体燃料」という区分のFIT認定量は2015年時点の 295万kWから2019年 1,475万kWまで急増しています。
しかしながら、2030年に274万kWから400万kWの使用を想定された制度
急増したバイオマス発電の認定ですが、FITでの接続契約の締結や燃料の安定的調達の制約
実際に稼働するのは3割程度と見られています。
FIT認定量の推移
5.国産木質ペレットについて
国内木質ペレット工場数
国内生産量と国内自給率
国内の木質ペレット工場のほとんどが小規模なために、生産コストが割高になり、製品の品質が不安定となっています。
国内需要は増加しているにも関わらず、本質ペレットの2017年国内生産量は、12.6万/年で、
過去3年間における国内での生産量や施設数の変動はほとんどありません。
国内自給率は、2015年 34%から2017年 20%へ 大きく下がりました。
6.輸入木質ペレットについて
2015年には木質ペレットの輸入量が前年から2倍以上増加し、それ以降も毎年1.5倍程度の伸びを示しています。
2016年から 90%以上の木質ペレットがカナダとベトナムから輸入されています。
ベトナムからの輸入量が2018年には30%を超えました。
現在は、
各国のペレット輸入量
7.ベトナムからの輸入品について
ベトナムからの月間輸入量
2018年の輸入量が37.3tから2019年1月から10月までの10カ月間で前年比87%増の69.9tとなっています。
2019年1月から10月までの輸入量がカナダ50.3tベトナムが木質ペレットの最大輸入国となりました。
価格について
カナダ等の北米からの輸入品に比べ輸送距離が圧倒的に短いことから輸送費用が半分以下、価格に優位性があります。
品質について
国際的にISOやENPlus等の基準が明確になったことで、その基準をクリアするための設備投資が進み、高品質なペレットが生産可能になっています。
8.MATSUMOTOが取扱う木質ペレットについて
Point1 高品質
商品
ISO(ISO 17225:2014)、EN 認証
工場
2019年に稼働し始めた新設工場
FSC(CoC加工・流通過程)認証
森林
FSC(FM森林管理)の認証
商品の検査数値
項目 Property class | 単位 | 当該商品 | A (日本のJPA品質規格) | A1 (ISO 17225-2:2014) | A1 (ENplus) | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
直径 Diameter | D | mm | 8.0 | 6±1または 8±1 | 6±1または 8±1 | 6±1または 8±1 | |
長さ Average length | L | mm | 38.0 | 3.15<L≦40(Max 45) | 3.15<L≦40(Max 45) | 3.15<L≦40(Max 45) | |
かさ密度 Buik density | BD | kg/㎥ | 688 | 650≦BD≦750 | 600≦BD≦750 | 600≦BD≦750 | |
水分量 Total Moisture | M | % | 9.25 | M≦10 | M≦10 | M≦10 | |
微粉率 Fine powder rate | F | % | F≦1.0 | F≦1.0 | F≦1.0 | ||
耐久性 Durability | DU | % | DU≧97.5 | DU≧97.5 | DU≧98.0 | ||
発熱量 Gross calorific value | 高位 high | Q | MJ/kg | 4,617 | ≧18.0(4,280Kcal/kg) | ≧(4.6kWh/kg) | |
低位 Low | ≧16.5(3,940Kcal/kg) | ≧16.5(3,940Kcal/kg) | |||||
添加物 Additive | % | ≦2 | ≦2 | ≦2 | |||
灰分 Ash | AC | % | AC≦0.5 | AC≦0.7 | AC≦0.7 | ||
溶融温度 Melting temperature | ℃ | ≧1200 | |||||
硫黄 Sulfur | S | % | 0.05 | S≦0.2 | S≦0.2 | S≦0.2 | |
窒素 Nitrogen | N | % | Not detected | N≦0.5 | N≦0.3 | N≦0.3 | |
塩素 Chlorine | CI | % | Not detected | CI≦0.02 | CI≦0.02 | CI≦0.02 | |
ヒ素 Arsenic | As | Mg/kg | Not detected | As≦1 | As≦1 | As≦1 | |
カドミウム Cadmium | Cd | Mg/kg | Not detected | Cd≦0.5 | Cd≦0.5 | Cd≦0.5 | |
クロム Chromium | Cr | Mg/kg | Not detected | Cr≦10 | Cr≦10 | Cr≦10 | |
銅 Copper | Cu | Mg/kg | Not detected | Cu≦10 | Cu≦10 | Cu≦10 | |
水銀 Mercury | Hg | Mg/kg | Not detected | Hg≦0.1 | Hg≦0.1 | Hg≦0.1 | |
ニッケル Nickel | Ni | Mg/kg | Not detected | Ni≦10 | Ni≦10 | Ni≦10 | |
鉛 Lead | Pb | Mg/kg | Not detected | Pb≦10 | Pb≦10 | Pb≦10 | |
亜鉛 Zinc | Zn | Mg/kg | 4.06 | Zn≦100 | Zn≦100 | Zn≦100 |
Point2 低価格
理由
・ベトナム提携会社VAN LANG CO.,LTD.の国内総代理店として直接販売
・輸出港であるタインホア省ギソン港から工場(経済特区内)まで10kmの近距離
・カナダ等の北米からの輸入品に比べ、輸送距離が圧倒的に短いことから輸送費用が半分以下
Point3 安定供給
理由
・日本国内向けの高品質な木質ペレットの開発
・長期で安定した供給が必要不可欠の中、直接販売が可能とする長期契約
・安定供給協定書の締結が可能
生産量
・2019年11月より6,000t/月の生産開始【生産体制:72,000t/年】
・2020年9月より12,000t/月へ増産(予定)【生産体制:144,000t/年】
・2022年より25,000t/月へ増産(予定)【生産体制:300,000t/年】